泌尿器科 - 公立長生病院

泌尿器科

 


超高齢化社会を迎え、排尿に関するトラブルを抱える方も増加の一途を辿っています。しかしながら、排尿の悩みは、加齢からのあきらめや羞恥心から、受診をためらう方が多いといわれています。その中には、癌などの悪性疾患由来のものも潜んでいます。早期受診が早期診断・治療への近道といえます。些細な事でも構いませんので、まずは症状を話してみてはいかかでしょうか?

●診療内容 特徴

・当院では、尿路・生殖器悪性腫瘍(腎・尿管・膀胱・前立腺・精巣)の治療はもとより、良性疾患(尿路結石、尿路感染症、前立腺肥大症、過活動膀胱、尿失禁)の治療にも力を入れています。
・初診時には、症状アンケートの他に尿検査を行っていただきます。必要に応じて、腹部超音波検査、レントゲン検査、膀胱鏡検査(軟らかいチューブ型のものを用いており、従来の硬性鏡より苦痛なく短時間で可能となっています)を行っていただきます。また、即日CT・MRIの撮影も可能となっており、受診から診断に至るまで迅速に対応することが可能です。

●疾患と治療

良性疾患
1. 前立腺肥大症
前立腺肥大症の頻度は、年齢とともに高くなり、有病率は60歳代6%、70歳代で12%とされます。主な症状は「尿の勢いが弱い」、「尿が出始めるまでに時間がかかる」、「排尿の途中で尿が途切れる」、「尿をするときに力まなければならない」、「夜中に何度もトイレへ行く」などです。治療には、大別すると薬物治療、手術治療、保存治療の3つがあります。一般的には、まず薬物治療が行われます。最近では従来の尿道抵抗改善薬に加え、前立腺縮小薬や膀胱の血流改善薬もでています。手術治療としては、内視鏡手術が標準治療として行われます。当院では、より安全性の高い生理食塩水を用いた内視鏡手術(TUR-P、TUEB)を行っています。入院期間は10日前後、手術時間は1-2時間程度となっています。
2. 過活動膀胱・尿失禁
過活動膀胱症状を排尿回数が1日8回以上・尿意切迫感(突然起こる、我慢できないような尿意)が週1回以上と定義すると、その有病者は加齢とともに上昇し、40歳以上の男女で1000万人以上と推定されています。これらの症状は仕事や家事にも影響をあたえ、外出をためらったり、電車やバスを利用することに不安を感じるなどの問題を引き起こします。また、精神的にも気分が落ち込んでストレスになるだけでなく、夜間の排尿での起床は転倒・骨折のリスクにもつながります。
過活動膀胱の原因は脳や脊髄の神経系の障害や、前立腺肥大や加齢による膀胱の機能障害などが考えられていますが、原因が特定できないものも少なくありません。原因を同定し、適切に治療を行うことによりQOLの改善が期待できます。治療は主に薬物療法(抗コリン薬やβ3受容体刺激薬)になります。

尿路・生殖器悪性腫瘍疾患
1. 腎臓癌
腎尿細管上皮細胞から発生する、腎実質の上皮性悪性腫瘍を腎細胞癌といいます。腎細胞癌は手術が治療の原則となります。当院では開腹手術となりますが、最近では負担の少ない腹視鏡での手術が行われています。腹腔鏡をご希望される場合は近隣の施設へ紹介させていただきます。術後の定期フォローに関しては当院でも可能です。
2. 前立腺癌
前立腺癌の原因は遺伝子の異常と考えられており、加齢と男性ホルモンの存在が影響しますが、いまだ明確ではありません。前立腺癌は早期では無症状であることが多いため、検診等での血液検査(PSA検査)の異常を契機に早めに受診していただく事が重要です。確定診断には前立腺の組織検査(針生検)が必要となります。当院では経直腸的針生検(1泊2日 局所麻酔下)、経会陰的針生検(2泊3日 全身麻酔下)のどちらでも可能です。 治療は癌の進行度や悪性度によって異なりますが、前立腺内に癌が現局している場合は、手術、放射線、内分泌療法のいずれかを相談し決定します。遠隔転移のある場合は内分泌療法となります。手術に関しては、 当院では開腹手術となり、入院期間は10日前後、手術時間は3-4時間程度です。
3. 尿路上皮癌(膀胱癌)
膀胱の内部は尿路上皮細胞におおわれており、膀胱癌のほとんどはこの尿路上皮から発生します。40歳以上の男性に多く、年間10万人中約10人の発生率です。
症状は痛みの伴わない血尿(無症候性肉眼的血尿)が多く、外来での膀胱鏡検査(当院では軟性鏡を用いています)で診断します。膀胱の浅い部分で留まっている癌では、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が行われます。これは、全身麻酔をしたうえで尿道から膀胱鏡を入れ、電気メスで腫瘍を切除する治療です。また、再発防止のために抗癌剤やBCGの膀胱内注入療法が行われることがあります。一方膀胱の深い部分まで浸潤している癌の標準的な治療としては、膀胱全摘除術および尿路変更術(膀胱を取ったあと、尿を出すための経路をつくる手術)が行われます。

●排尿ケア
当院では排尿に関するケアに係わる専門的知識を有した多職種(医師、看護師、理学療法士)からなるチームにより、入院患者全てを対象に包括的な排尿管理を行っています。


●主な診療実績 H29年度

経尿道的前立腺切除術(TUR-P、TUEB) 30件
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt) 23件
根治的前立腺全摘除術 9件
前立腺被膜下摘除術 3件
陰嚢水腫根治術 4件
経尿道的尿管ステント留置術 7件
経皮的腎瘻造設術 3件
経尿道的膀胱結石破砕術  4件


●前立腺生検 H29年度
経直腸的  55件
経会陰的  16件


●認定施設
日本泌尿器科学会 専門医関連教育施設

◆担当医師紹介

 

泌尿器科部長
佐々木 哲郎
泌尿器科全般
日本泌尿器科学会専門医
泌尿器科医長
佐藤 直也
泌尿器科全般
日本泌尿器科学会指導医
日本泌尿器科学会専門医
難病指定医等