脳神経外科 - 公立長生病院

脳神経外科

◆概要・診療方針

 当科は地域医療の窓口として、広く脳神経外科領域の患者様を受け入れております。一方、現在の脳神経外科は、脳腫瘍、小児脳神経外科疾患、脳血管障害、頭部外傷、脊椎・脊髄疾患など、高度に発展、専門化しており、一病院だけで高度専門治療をすべてできるものではありません。血管内手術、特殊な脳腫瘍手術、ガンマナイフ治療、重症頭部外傷などは、千葉大学、千葉県がんセンター、千葉県こども病院、千葉県救急医療センター、千葉県循環器病センター、地域の基幹病院など、千葉県を中心に存在する国内外の千葉大学脳神経外科学教室の関連施設と連携し、治療にあたっております。

◆脳神経外科で扱っている疾患

・脳腫瘍全般(良性・悪性腫瘍,髄膜腫,聴神経腫瘍,下垂体腫瘍など)
・脳血管障害(くも膜下出血,動脈瘤,脳内出血,脳梗塞,血管奇形,もやもや病,頸動脈狭窄症など)
・機能的脳神経外科(三叉神経痛,顔面けいれん,正常圧水頭症など)・頭部外傷(急性の頭蓋内出血、脳挫傷、慢性硬膜下血腫)

 症状としては、頭痛、吐き気、めまい、手足の麻痺・しびれ、歩行困難、意識障害、呂律が廻らない、けいれんなどが多く、また、複視(物が二重に見える)、視力障害、視野(見える範囲)の異常、難聴や耳鳴りがみられます。尿失禁、痴呆症状、無月経、なども脳疾患が原因となる場合もあります。この様な症状が見られれば、脳神経外科専門医の診察が必要と思われます。

◆検査・診察

 軽症の患者さんが、「念のため」と言って脳神経の病気でないことを確認したくて受診することが少なくありません。CTで異常が写らなくてもMRIで写ったり、専門医の診察で診断されたりします。ちなみにCTやMRIは症状、疾患によって各種撮影法を使い分けております。

◆脳梗塞治療

 各種検査によって病型を診断し、それぞれに最適な治療法を使い分けています。例えば、「血液をさらさらにする」といわれている抗血栓薬には何種類かの薬剤があり、それぞれ特徴があるために使い分けることが望ましいですし、急性期の点滴で使用する薬剤も同様です。
 薬剤の種類が少ないために治療法が限られていたころに比べると、より症状は改善し、再発率は低下しています。

◆脳ドック

 担当は、日本脳神経外科学会専門医で、日本脳ドック学会所属医です。日本脳ドック学会のガイドラインに準拠した脳ドックを実施しております。

◆充実したリハビリテーション

 理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士がそろっており、急性期及び亜急性期の入院リハビリテーションを行っております。リハビリテーションが必要な患者さんには、入院当日にリハビリテーション部に依頼をし、計画を立て、病状に応じて入院当日からの実施をしています。

◆平成20年度の診療概要

 平成20年度に脳神経外科を受診した外来患者数は、一日平均で21.3人です。
 入院患者数は、新入院患者数145人、一日平均11.8人で、平均在院日数(一般病床)は16.5日です。
 入院患者さんの約6割の89名が脳卒中の患者で(当院では神経内科でも脳卒中患者の診療をしており、ここには含まれません)、他の頭部外傷やてんかんなども含めほとんどが急性期疾患の患者です。
 当科では、急性期を過ぎた患者さんにリハビリテーションのできる病院を紹介していますが、そのような病院は少なく、なかなかすぐには転院できないのが実情です。
 重度の脳卒中患者さんは、救急車で搬送されることが一般的です。しかし、手足の運動麻痺やしびれ、言葉がうまく話せないなどの症状があっても比較的軽かったり、一時的であったりする場合、数日たってから外来受診をする方がいらっしゃいます。昨年度はそのような患者さんが例年に比べ多い印象がありました。症状が軽度であっても脳卒中は重症の病気です。

◆平成21年度は

 毎年、学会等で新しいデータが出たり、新薬が出たりと医学は進歩しています。当科でもここ数年で検査、治療法が大きく変わっています。
 患者さんの数は、平成20年度と比べ外来患者数は10.2%、入院患者数は16.8%増加しております。
 今後も診療レベルの向上を心がけ、地域医療に貢献したく存じます。

◆担当医師紹介

脳神経外科主任部長
野本和宏
脳神経外科一般
日本脳神経外科学会専門医、身体障害者福祉法指定医(肢体不自由)